2013年6月12日水曜日

御蔵島、2・3日目/5日間。台風、欠航、滝巡り、蘭。そして、強風の御蔵島着発。

気象庁の台風予想進路が伊豆諸島寄りになってきました。露美的には3日前のUGRIBの予報に近づいて来た感じ。気象庁の予報を信じて木曜の朝船の着発狙いだったK君とSTちゃんは1泊だけに予定を変更して、水曜朝の御蔵島着発狙いで帰る事になりました。御蔵島着発とは、南風に弱い八丈島へ東海汽船が向かわずに、三宅・御蔵に着岸したらそのまま竹芝桟橋に引返すって事です。20時半に竹芝桟橋に着く予定の船が、昼過ぎには東京に着くと言う大変レアなケースです。

でもSTちゃ~ん、台風の速度が早まったのなら金曜日は船着くんじゃなーい?UGRIBの予報は9日にみた時からそうだったよ~。え~んっ、STちゃん帰らないで~っ。もう少し露美と遊んで~。゜゚(>ヘ<)゚ ゜。しかしSTちゃんは土日はお仕事。もし台風がノロノロしてて、金曜日に船が来なかったら大変です。一応金曜のヘリも予約済ですが昨日は頼みのヘリも欠航していました。台風から吹き出す南風の湿度が高いので山はずっと雲の中なんです。有視界飛行のヘリはこの南風がおさまるまで来ないかもしれません。無理に引き止めてはいけないと我慢していましたが、やっぱり言っちゃった。「STちゃん、帰らないで~っ(;へ;)」。しかし台風は少しずつ近づいていて、明日の木曜日はもっと南風が強くなる予報です。たとえ島北側の風影にある桟橋が穏やかでも、途中の航路の風が強すぎると東海汽船が判断すれば明日の船は竹芝桟橋を出航しないかもしれません。

13(水)朝6時前、露美、半べそ状態でK夫妻を桟橋まで見送りに行きました。5時過ぎの放送で既に八丈島は欠航して、御蔵島着発が決まっていました。桟橋前はとても静か。黒潮も離れているので潮も流れていませんでした。これなら船は着岸できそうです。K夫妻、東海汽船の窓口で乗船券をもらう時、既に半券をもぎって渡されました。普通、船の着岸が怪しい時には、半券は付いたまま渡されます。こうなったら、もう引き止めても無駄。露美あきらめました。

雨が強く降っていたので車でタラップの前まで行って良いことになりました。昨日ドルフィンスイムのガイドをしてくれたミナさんの車で、雨の中、桟橋の付け根駐車場に待機。船は少しウネリのある桟橋の東側へ向かっているように見えました。しかし東側の着岸をあきらめたのか、桟橋の先端を西に向かい出しました。うん、西側の方が海が鏡の様だもんね。見送りの車が動き始めました。助手席のK君が窓を開けて桟橋作業をしているお兄さんに、もう進んでも良いか聞きました。

『欠航だよ!』
えっ(・・)?  …なんで? 桟橋の西側で着岸やり直すんじゃないの?

周りの車はUターンして居なくなってしまいました。東海汽船の窓口に戻り、払戻やら、予約の取り直しやら、手続きをします。御蔵島では桟橋で今日は船が着岸できる条件と判断したら東海汽船に連絡して客船に桟橋前まで来てもらいます。この時点で御蔵島村から東海汽船に、着岸出来ても出来なくても支払いが生じるそうです。船が桟橋に着岸出来るか出来ないかの最終判断は、当然船長が決めます。憤懣やるかたない思いの私達は、着岸出来ると判断した御蔵島桟橋作業員に文句を言っても仕方が無いと思いつつ「なんで欠航したんですか?」聞かずには居れませんでした。『船長が着岸したら出航できない風だと判断したのでしょう』って。風?吹いてた?少しは吹いてたけど~…。昨日、私達が降りた時と何が違うのか判らな~いっ。納得し難いけど船長がそう判断したなら仕方が無いですよね?STちゃんに帰って欲しくなかった露美の願いは叶ったけど…、こんな叶い方をして欲しい訳じゃ無かったぁ(;へ;)

東海汽船の建物を後にしようとしている時、よく山ガイドをしてくれるH川さんが声をかけてくれました。『車で滝巡り位なら連れてってあげるよ?』「お願いしますっ」。イルカガイドのミナさんの車でバンガローへ送ってもらう間、なんであれで欠航するの~?な話題で盛り上がりました。「着岸のチャレンジ位して欲しいよね~っ!?」ミナさん曰く『これが御蔵島です!』だって。分かってたけど、今日の凪(に見える)桟橋の欠航はショックでした。今まで天気予報が外れて海況が悪化し欠航したことはあったけど、穏やかで黒潮が桟橋直撃して無いなら着岸してました。露美の東海汽船に対する信頼がガラガラ崩れた感じ。天気図と睨めっこして着岸予想するのは結構楽しかったけど、とんでもない不確定要素がある事に愕然としました~。

まあ、気を取り直して、、帰れないなら遊びましょう。幸い滝巡りに連れて行ってもらえます。ここ数日の台風の湿り気で滝は水が豊富でした。御蔵島は伊豆七島の中でも水に困っていない稀有な島です。海風が島の崖に当り上昇すると森の木に水滴が着くんです。たとえ晴れていても樹雨と言って葉っぱに付いた雫が落ちて森に浸みこんでいるんです。それに加えて台風の雨が滝を豪快に落ちていました。普段は何処から来るのか判らない滝の上の方まで白い流れが見えました。
  
木々も苔も生き生きしています。
  

台風でお休みかと思ったエビネ公園も開いていました。
ホシケイラン。ガンセキランの葉に黄色い斑点がある物だそう。
 
濡れた木道は素晴らしく滑りました。STちゃんのヨガ教室に通ってて良かったぁ。腰が固いままだったらグキっと行く所でした~。

セッコク。よくツゲの木に付いている着生植物です。杉の幹にも付いていました。
 

御蔵島は照葉樹しか無いので秋に紅葉はしませんが、タブノキの新芽などは紅葉してる様に赤く、春や初夏の山は柔らかいパッチワーク模様になります♪


広角レンズではちっとも大きく写りませんが御蔵は巨樹の多い森です。巨樹の大きさでは屋久島の方が上ですが、巨樹の本数は御蔵島の方が多いそうです。余りに巨樹がそこら中にあるので、巨樹を巨樹とは感じられないのが残念。


瑞々しい木々が気持ち良い。


水で戻さずに食べられるキクラゲ♪雨が続いているせいなのか、樹雨の降る御蔵島ではいつもそうなのか、私が良く山で見るキクラゲみたいにカラカラに乾いていません。ラーメンに入れても美味しいって~。


初めてガクアジサイの季節に御蔵島に来ました!


里のあちこちに咲いていた花。


台風が近づいているなんて信じられない程、穏やかな桟橋でした。夕方から作戦会議。明日は今日より風が強まる予報です。今日、八丈に向かわなかった東海汽船なら、明日は御蔵にも来ないかも?もしかしたら今夜竹芝桟橋を出航しないかもしれません。しかし17時の東海汽船の発表は三宅・御蔵・八丈すべて条件付きで出航でした。条件付きとは船が着岸出来るか判らないまま出航するって事です。

露美とSNちゃんはもともと日曜帰りの予定だったので、K夫妻が帰った後、民宿に移動してお天気の御蔵で遊んでから帰るつもり。問題はK夫妻です。STちゃんが土日お仕事なので金曜日には必ず帰らなくっちゃです。もはや気象庁の予報でも金曜の船は着岸しそう。でも今朝の凪で欠航する船長なら例え条件付きで竹芝桟橋を出航しても、御蔵まで来やしないんじゃぁなかろうか?それとも、夜22時半に出航して翌日20時半まで勤務するなら船長は一日交代?それなら、明日は今日とは違う船長なので御蔵島着発狙いはあり?

露美、夕方東海汽船に電話してみました。
「御蔵島の着岸に付いて教えて下さい」
『条件つきなので行ってみないと着岸できる海況なのか判りません』
「あの~、、、明日の船長さんは今日と同じですか?」
『少々お待ち下さい。』、、、かなり間があって
『こちらでは分かりません』教えてくれませんでした。
「そうですか、ありがとうございました」

STちゃんがドルフィンスイムの船長さんに相談電話をした所、東海汽船の船長さんは3~4日は同じ人で、昨日着岸した船長さんと今朝欠航した船長さんは違う人だったそう。って事は明日は今日と同じ船長さんかぁ(´。`;…。

明日の朝13(木)にも着発狙うなら、また寝起きの悪いミナさんに早起きしてもらうのも何となく気がひける。風の弱まる金曜帰りでも良い様な気がするK君。土日仕事の為に大事を取って1日早めに帰って置きたいSTちゃん。結局、明日は着発狙わない事に決めて寝ました。

6月13日(木)、御蔵島着発!
所が翌朝5時過ぎ、八丈島は欠航で御蔵島着発の放送が入りました!

昨日、一旦は金曜帰りで納得した御蔵島フリークのSTちゃん、船が着くなら乗って置きたいっ。そう、御蔵島では”帰りたいなら来た物に乗れ!”が常識なんです。しかも、レアな御蔵島着発です!長年御蔵島に通っているSTちゃんの判断は早かった。ガバっと起きて『帰るよ!』。まだ御蔵島2回目の旦那K君は寝ぼけていますっ。しかし、帰ると決めたなら大急ぎ。露美、バンガローの電気を点けましたっ。「忘れ物しないで!乾いて無い物は荷造りが間に合わなかったら露美が送るよ!」

かつて御蔵島で4延泊した事のある露美は、毎日帰り支度をして船が着岸しなかった経験があります。毎日帰り支度をするので、2回目以降の帰り支度はどんどん早くなったものです。今日のK夫妻の荷造りも早かった。露美が海道具を後から送る迄もなく荷造り完了!今日はお見送りの車を頼んでいないので大荷物を持って港へ急ぎます。露美とSNちゃんも合羽を着こんでお見送りです!

そして、今日は昨日よりずっと風は強かったけど、、、着岸しました!
昨日と違って初めから桟橋の西側からアプローチ。全然、危なげもなく、当然のように着岸しました。昨日より風は強かったんだけどなぁ。。。判断基準が分からん。でも、着岸して良かった!船長さん、すごい頑張ってくれたんだぁヽ(´▽`)/。露美、STちゃんに「船長さんに宜しくねっ。着岸のお礼をものすごく言っておいてねっ。」『OK!!』うん、嬉しい気持ちは伝えないと伝わらないからねっ。無事、K夫妻を見送りました!

そして、乗船後のSTちゃんからメール。
船のカウンターで船長にお礼を伝えて欲しいと言ったら、松井昇船長だったって~~っ! えーっ、引退したと聞いてたのにーっ。松井昇船長は御蔵島の着岸率が良いので露美注目していた船長さんです!今日は着岸無理かなぁと思った日でも、ビックリ着岸した!なんて日はカウンターに『船長 松井昇』って札がありました。聞けば引退は来年2014の6月だそうです。小回りの効く新造船が来年7月就航だそうですから、新造船と入れ違いで引退なのですねっ。松井昇船長ありがとう~!!引退式ってあるのかな?露美、参加したい気持ちでいっぱいですっ!

2 件のコメント:

  1. 『御蔵島村から東海汽船に、着岸出来ても出来なくても支払いが生じる・・・』知りませんでした!そういうシステムなんですか~。
    とても東海汽船事情に詳しいですね!
    読んでて御蔵旅の恐ろしさが・・・心臓ドキドキしちゃいました。コワイー。
    私達は帰りは八丈から飛行機に乗る必要があるのですが、その飛行機も結構率高くて、あわせて心臓に悪いです。

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    1. 湯でイルカさん!御蔵島から条件付で来てって呼ぶと支払うそうですよ?だから桟橋で呼ぶか呼ばないか判断するそうです。それと実は、私達がいた6/11~15迄の5日間、一日もヘリが来なかったんですよ~。ただの南風なら風下天気で船が来なくてもヘリは来ますよねー?湿った南風、要注意ですっ。

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